否定疑問文
前回の復習
<時制の一致>
- 主節の動詞が過去になったら、従属節の動詞も過去にあわせる。
- 従属節を日本語に訳すときは『現在形』のようにする。
Did you know where he was?
(あなたは彼がどこにいるのか知っていましたか)
※「いたのか」としない。
否定疑問文
さて、今回は「否定疑問文」というものを解説していきます。この否定疑問文というのはどんなものなのか、まずは例文を見て下さい。
<否定疑問文>
- Aren't you tired?
(あなたは疲れていないの) - Isn't is difficult?
(それは難しくないの) - Don't you like coffee?
(あなたはコーヒーが好きじゃないの) - Can't you see that?
(あなたはあれが見えないの)
このように否定疑問文というのは、いきなり「否定の形」で始まる文のことです。
訳し方は「〜ではないの(ですか)」となります。
ただそれだけなので、いくつか文をみて実際に自分でも文を作ってみればすぐに慣れるはずです。
と、これだけではあまりに短すぎるので、もう少し話を続けます。
普通の疑問文と比べてみましょう。次の文を見て下さい。
<普通の疑問文との比較>
- Are you tired?
(あなたは疲れていますか) - Aren't you tired?
(あなたは疲れていないのですか)
- Is it difficult?
(それは難しいですか) - Isn't it difficult?
(それは難しくないのですか)
- Do you like coffee?
(あなたはコーヒーが好きですか) - Don't you like coffee?
(あなたはコーヒーが好きではないのですか)
- Can you see that?
(あなたはあれが見えますか) - Can't you see that?
(あなたはあれが見えないのですか)
これらの文を比べてみて違いは分かりますか?
とにかくこの「否定疑問文」というのは
- 「否定文の形」ではじめる。
- 「〜ではないの(ですか)」と訳す。
というところをおさえれば文を作ったり訳したりすることはできます。では次にこの文の答え方を説明します。
否定疑問文の答え方
普通の疑問文の答え方は今更言うまでもありませんが、ちょっと見て下さい。
- Are you tired? (あなたは疲れていますか)
→ Yes, I am. (はい疲れています)
→ No, I'm not. (いいえ疲れていません) - Do you like coffee? (あなたはコーヒーが好きですか)
→ Yes, I do. (はい好きです)
→ No, I don't. (いいえ好きではありません)
こうなりましたね。ここに問題はないと思います。問題のある人はしっかり復習をしておいてください。
では本題。
否定疑問文の答え方です。英文と日本文(訳)に注目してください。
- Aren't you tired? (あなたは疲れていないのですか)
→ Yes, I am. (いいえ疲れています)
→ No, I'm not. (はい疲れていません) - Don't you like coffee? (あなたはコーヒーが好きではないのですか)
→ Yes, I do. (いいえ好きです)
→ No, I don't. (はい好きではありません)
気づきましたか?
否定疑問文では
「Yes」の訳し方が「いいえ」
「No」の訳し方が「はい」
となっていますよね。これは間違えているわけではありません。
なぜこのようになるのでしょう?
それを理解するには「英語のYes / No」の使い方を理解する必要があります。
私たち日本人は「Yes」→「はい」、「No」→「いいえ」と考えていますよね。でもそうではないのです。
厳密に言うとそれで大概の場合はぴったりはまるのですが、それは元々の英語の考え方に当てはまっていないので『ズレ』が出てしまうときがあるのです。
では英語ではどのように考えて「Yes」と「No」を使っているのでしょう?そこを理解することが大切です。
英語では次のように「Yes / No」を使い分けています。
<Yes / Noの使い方>
後ろに肯定的な内容がくる → Yes
後ろに否定的な内容がくる → No
これです。このように後ろに『肯定的な内容』がくるか『否定的な内容』がくるのかで「Yes / No」を使い分けているのです。
もっとかみ砕いて言えば、
「not」が後ろに続く場合は否定的な内容になる → No
「not」が後ろに続かない場合は肯定的な内容になる → Yes
で答えるといえます。それを理解できたらもう一度さっきの例文を見てみましょう。
- Aren't you tired? (あなたは疲れていないのですか)
→ Yes, I am. (いいえ疲れています)
→ No, I'm not. (はい疲れていません)
「Aren't you tired?」(あなたは疲れていないの?)と聞かれて「疲れている」と答える場合。
「Yes, I am (tired).」
↑ (ここに注目!)
「Yes」という単語は一旦置いておき、後ろの「I am (tired)」を見てください。「I am (tired).」には「not」がついていませんね。つまり『肯定的内容』になります。
ですからその前につけるのは「Yes」となるのです。
このように考えて「Aren't you tired?」に「いいえ疲れています」と答えるには「Yes, I am.」とするのです。
否定疑問文を日本語に直す場合、普段のように「Yes = はい」とするとおかしくなってしまうので日本語を調整してあげるのです。
「あなたは疲れていないのですか」
↓
「いいえ疲れています」
↑
ここを「はい」とすると、その後ろは「疲れていません」と続くことになりおかしいので「いいえ」とする。
このように考えて英語では「Yes / No」を使いわけます。
どうでしょう。理解できましたか?
「はい疲れていません」という場合も同じように考えていきます。
ここまでですでによく分からなくなっているかもしれないので、コンパクトにまとめてみます。
「Aren't you tired?」 (あなたは疲れていないのですか)
↓
「いいえ疲れています」と答えたい。
↓
「疲れています」という内容は『肯定的内容』。
英語では後ろに『肯定的内容』がくるときは「Yes」を使うというルールがある。
↓
「Yes, I am(tired).」と答える。
↓
しかし日本語に訳すときに「Yes」を「はい」と訳すと「はい疲れています」となっておかしくなるので「いいえ」と訳す。
となります。結局英語はあくまでも英語のルールで使われています。
日本人に分かりやすく「Yes = はい」「No = いいえ」とはなっていないのです。
ですから英語のルール、つまり
- 後ろに『肯定的な内容』がくる → 「Yes」
- 後ろに『否定的な内容』がくる → 「No」
に日本語を合わせてあげる必要があるということです。つまり、
『否定疑問文ではYesとNoの訳し方が常に逆になる』
ということを覚えておけばとりあえずは問題ないです。
「なんだよ、じゃあ最初からそう言えよ!」
と言われそうですが(笑)、何でそうなるのかを理解してもらいたかったので敢えて最後に言いました(^o^)
今回は否定疑問文の作り方と答え方を解説しました。
あまり多く出てくる分野ではないのですが、そんなに難しいところでもないのでサクッとマスターしてしまいましょう。
今回のまとめ
<否定疑問文>
文の形:否定形(Isn't, Aren't, Don't, Doesn'tなど)で始まる。
訳し方:〜ではないのですか
- Aren't you tired?
(あなたは疲れていないの) - Don't you like coffee?
(あなたはコーヒーが好きじゃないの)
<否定疑問文の答え方>
「Yes / No」の使い分け方
- 後ろに『肯定的な内容』がくる →「Yes」
- 後ろに『否定的な内容』がくる →「No」
↓
普通の「Yes / No」の訳し方と逆になる。
↓ つまり
「Yes = いいえ」
「No = はい」 と考えればよい。
例)
- Aren't you tired? (あなたは疲れていないのですか)
Yes, I am. (いいえ疲れています)
No, I'm not. (はい疲れています) - Don't you like coffee? (あなたはコーヒーが好きではないのですか)
Yes,, I do. (いいえ好きです)
No, I don't. (はい好きです)