リスニングの力をつけるには教科書ガイドCDを使う
教科書ガイドをCDと一緒に使わないのはもったいない
学校の授業の予習は英語の教科書ガイドを使えば授業に余裕を持って受けることができるようになりますし、中間・期末テストでも間違いなく今までよりも点数がとれるようになります。
しかし、それだけではどうしても足りないのが「リスニング」です。
リスニングは聞いた時間に比例してどんどん耳が英語に慣れてきて効果が実感されるようになってきます。
その練習にはどうしてもネイティブが発音した音声が必要になります。そしてできればくり返し同じものを聞けて、しかも学校の勉強の内容にも沿ったものとなると、教科書ガイドCDがベストです。
「教科書ガイドCDなんて、教科書を読んだだけでしょう?」
たしかにその通りです。
しかし、これをきちんと活用すれば驚くほど「リスニングの力」がつきます。
そして更には読む力、つまり「リーディングの力」もついてきます。
私が学生の頃に実際に行なってきましたが、特に最初の頃は自分でも分かる位に日々上達していったものです。
これからお話しする方法をだまされたと思って続けてみてください。そうすれば次のような効果が得られるでしょう。
教科書ガイドCDを使った勉強で得られる効果
- 1.それまではブチブチと途切れた読み方だったものがスラスラと読めるようになってくる。
- 2.口が滑らかに動くようになってくる。(自然と英語を発音できるようになる感じ)
- 3.発音が上手になってくる。
- 4.日本語のような平坦な読み方ではなく英語独特の抑揚のある読み方が身についてくる。
- 5.リスニングの音声が速いと感じなくなる。
- 6.聞いたそばから意味が取れるようになってくる。
- 7.そのためリスニングの問題が楽に解けるようになる。
練習を続けていくとこれだけの効果が得られるようになってきます。
私は現在学習塾で英語の講師として毎日たくさんの生徒達に英語を教えています。
当然リスニングの力はそれなりにありますが、基礎力は学生時代にここでお話しする方法をひたすら続けたおかげだったと今でも思っています。
私が学生の頃はCDなどない時代だったので、これをカセットテープを使ってやっていました。それではこれからどういうことをしていくのか説明をしましょう。
教科書ガイドCDの効果的な使い方
- 1.学校の教科書を用意し練習したいところを開く。
- 2.同じ単元の教科書ガイドCDを流す。
- 3.CDのネイティブの発音をきいて、短く途切れるところにスラッシュ(/)、もう少し長く途切れるところにはダブルスラッシュ(//)を入れていく。
- 4.一通り入れ終わったら最初に戻って、もう一度切れ目に聞き落としがないかチェックしていくと同時に、読み方(あげて読むか下げて読むかなど)に注意をして聞く。
- 5.もう一度最初に戻り、今度は一緒に読んでいく。
- このときできるだけCDの発音と同じになるように意識し、これをくり返す。
- (声の出し方、声の大きさ、上げて読んだり下げて読んだり、間のとり方などあらゆること全てのまねをするようにする)
これをするだけです。
何か特別なことを期待して、それを知れば何もしなくても突然リスニングが上達したり、リーディングが上達したりということを期待していた人には期待はずれだったかもしれません。
しかし、そのようなことを期待していても何も変わらないことは分かりますよね。上で話した内容を何度も何度もくり返します。
目安としては学校で例えば一つのレッスンをやっている間はそのレッスンで上の練習をずっと続けていきます。
その際1回の練習で、できれば最低5クールはやった方がいいです。そしてこれをできれば毎日続けてください。
「毎日はできないよ」
という人もいるでしょう。
もちろんその人のできる範囲でということになりますが、1週間に1度しかやらない人と1週間に3日やる人では当然それは実力の差となって表れてきます。
1週間に6日や7日のペースでやり続けて、それが1年も経てばそう簡単には周りの人が追いつけない圧倒的な差となってくることでしょう。
私が学生の時にはこれを高校に入ってから英語の先生に教わってはじめたのですが、学校にきたALTのネイティブの先生にお世辞だとしても
「You speak English like a native speaker.」
(あなたはネイティブスピーカーのように英語を話しますね)
といわれて本当に嬉しかったことを覚えています。(確かこう言っていたと思いますが舞い上がっていて細かくは覚えていません。(笑)
とにかくこれをだまされたと思って続けてみてください。必ず読む力(リーディング)がうまくなると同時に、聴く力(リスニング)も上達します。
自分の発音がネイティブの発音に近づくので、リスニングが聞き取りやすくなってくるという効果もあるのです。
ここでこんな疑問がわいてきましたか?
「同じ内容を毎日何回も読むんだから聞いてすぐに意味が分かるのも当然だし、目で英文を見なくても聞き取れるようになるのは当たり前でしょう。」
はい、確かに毎日同じ内容を聞いていれば当然内容も覚えますし、意味も覚えます。
でもそれでいいのです。
同じ内容をくり返し聞いて、自分でもそれに極力似せて発音していくことにより、発音が強化されますからまずは口が英語を発音することに抵抗がなくなります。(スラスラと英語が発音できるようになってくると本当に気持ちがいいもんですよ。)
また同じ文を読むことで、初めての英文を読むよりも当然発音や読み方が慣れてきます。
まだ英語を習いたてのときに毎回初めて見る文ばかり読んでいてもあまり効果が期待できないでしょう。
それよりも同じ文を何度も何度も読んで、
- どんなときに上げて読み、
- どんなときに間をあけて、
- どういうところではスピーディーに読むのか
などを同じ文を何度も読むことで身につけていく方がよっぽど英語の力をつける上では大切になってきます。
「それでも初めて聞いた内容の場合は聞き取れるようにならないんじゃないの?」
そんなことはありません。
この練習を続けていくと、徐々に練習している英文が口をついて出てくるようになります。同じ英文をくり返し読み、意味を考える練習をしているのでそれは当然ですよね。
しかし、この練習の効果はそれだけではないのです。
同じ内容の英文を読み、意味を考える練習を続けていくと英語の文の作り方や英語的な発想の仕方なども身についてくるのです。
これはネイティブの子供が英語をたくさん耳にして、それを少しずつ自然と口をついて言えるようになってくる過程と同じです。
ですからこれを続けていけばいく程、英語のフレーズが頭にインプットされていくだけでなく、英文の作り方や発想の仕方までが身についてきて、ついには初めて聞く内容でも聞いた瞬間から意味が分かってくるようになるのです。
もちろんそこまでいくには1ヶ月や2ヶ月では無理です。
英語に1日24時間触れているネイティブでもそんなに短い期間で英語をスラスラ話せるようにならないことを考えれば分かると思います。
そこまでなるのにはもっと時間がかかりますが、少なくても学校の中間・期末テストで点数を上げるというレベルでしたらこれを愚直に続けていくだけでも圧倒的な効果が得られることは間違いありません。