形式主語を使う不定詞
前回の復習
- 形 :「疑問詞 + 不定詞」 意味:「〜したらいいのか」 ※「how to 〜」は「〜の仕方」と訳す。
例
- I don't know where to go. (私はどこに行ったらいいのか分かりません)
- Do you know how to use this computer? (あなたはこのコンピュータの使い方を知っていますか)
- ※「疑問詞 + 名詞 + 不定詞」の形もある (what と which のとき)
- I didn't know which book to read. (私はどちらの本を読んだらいいのか分かりませんでした)
主語に不定詞が入る文
はい、愛美ちゃんこんにちは。
前回は不定詞を使った表現で「疑問詞 + 不定詞」という言い方を勉強したんだけど、大丈夫かな?
はい。
「〜したらいいのか」という意味になるんでしたよね。 「how to 〜」は「〜の仕方」でした。
そうだね。
今回はまた不定詞を使った表現を一つ勉強していくんだけど、その前にちょっと見てもらいたい文があるんだよね。
この文の意味はどうなるかな?
- To study English is important for us.
え〜と。
最初の「To study English」という部分は後ろに「is」があるから主語ですよね。
だから…。
「私たちにとって英語を勉強することは大切です」
でどうですか?
そうだね。
今言っていたように、この文の主語は「To study English」だね。この文は「主語の中に不定詞が入っている」形になっているよ。
はい。
ただこの文でも十分意味の通じるけど、この文の主語って文の真ん中あたりまであって、ちょっと長いと思わない?
そうですね、言われてみれば・・・普通は
He is a ・・・ She is a ・・・ My brother is ・・・
の「He」「She」「My brother」くらいの長さですね。
英語ではあまり長い主語になることを好まないという傾向があるんだよ。主語が長くなるとなかなか言いたいことが出てこないでしょう。
上の例文でも言いたい部分は「important」(重要)ということなんだけど、
「To study English is important for us.」
この文の真ん中よりも後ろのほうになってやっと登場してるよね。こういう文を英語ではあまり好まない傾向にあるんだ。
でも日本語ではふつうですよね。
そうだね、日本語は結論が最後にくるよね。例えば
「私は昨日家族とディズニーランドに行きませんでした」
こんな文もあるよね。この文なんかは最初に聞いていると、
「私は昨日家族とディズニーランドに・・・」と聞けば、「あ〜いいね。ディズニーランドに行ったんだ」と思った矢先に
「行きませんでした」
ときて、「なんだ結局行ってないのか!」となってしまう。英語ではこういうのを嫌うんだよ。
できるだけ早く何が言いたいのかをつかみ取りたいという気持ちがあるんだね。だから英語で答える時にも「Yes / No」で最初にどっちなのかを伝えて、その後で言いたいだけその理由を続けるということ はよくあるんだよ。
英語の文の特徴
結論を早く知りたがるので、主語が長くなることを好まない。
形式主語のItを使った文
そこで登場してくるのが今回のテーマになっているItなんだよ。
Itですか?
そう。ただし「It」といっても「それは」なんて日本語に訳したりはしないからね。
以前にも「What time is it now?」という時間を表す文でやはりitを使っているけど、この時にも日本語には訳していなかったでしょう。
あ〜そうでしたね。
このように日本語には訳さないで、単にバランスを整えるためだけに使われる「it」のことを
“形式主語のIt”
というんだよ。覚えておいてね。
「形式主語のIt」ですね。
今回はこの形式主語のItを使った文をつくるのがテーマだからいよいよその話をしていくよ。
ごちゃごちゃ言う前にさっきの例文を使って書きかえた文を紹介しちゃうよ。
形式主語のItを使った文
- To study English is importanto for us.
- =It is important for us to study English. (私たちにとって英語を勉強することは大切です)
さて、上の文が最初に見せた文。 下の文が形式主語のItを使って書きかえた文。
どこがどう変わったか分かるかな?
なんかちょっと見ただけでは…
使われている単語は同じような気がするんですけど・・・。
パッと見ではわかりずらいよね。この文の基本的な形は次のようになるよ。
形式主語のItを使った文の形と意味
- 「It is ・・・ (for 人) to 〜」 (人にとって)〜することは・・・です
それじゃ具体的に解説していくね。
まずは文の主語。これは形式主語を使うっていっているんだから最初は「It」で始まります。
主語の次には「動詞」がこないといけないから上の文に使われている「is」に目をつける。
ただし、この時にこの「is」から後ろの全部「is important for us」の部分をそっくりそのまま形式主語の「It」の後ろに続けてしまう。すると
「It is important for us」
というところまでができあがる。
あとはその後ろに残りの「to study English」を続けて、
「It is important for us to study English.」
という文ができあがり。
えっ。なんかよく分からないうちにできちゃったっていう感じなんですけど・・・。
う〜ん。じゃあもう一度違った角度から説明するよ。
To study English / is important for us.
上のように元の文を二つに分けると、
最初が「To study English」 後ろは「is important for us」
となるよね。
まずは、この中の後半部分「is important for us」を形式主語の後ろにつなげてあげるんだよ。
=It /is important for us
そして更にその後ろに「to study English」をつなげると
=It /is important for us / to study English.
これでどうかな?
あっ、さっきよりも分かりました。
それじゃ、もっと違う文でも見てみようか。次の文を形式主語を使って書きかえてみよう。
- 1.To swim in the river is difficult for me.
- 2.To watch baseball game is interesting.
え〜と、最初の文を分解すると
「To swim in the river / is difficult for me.」
となって、この中の後ろの部分を形式主語のItの後ろに続けるから
「It is difficult for me」
となり、更にその後ろに残りをつなげるから
To swim in the river is difficult for me. =It is difficult for me / to swim in the river. (私にとって川で泳ぐことは難しいです)
となります。
そうそう、それでいいよ。
じゃあ2番はどうなるかな?
はい。まずは分解すると、
「To watch baseball game / is interesting.」
となって、形式主語のItの後ろに後半の部分をつなげると、
「It is interesting」
までできて、そのうしろに最初の部分を続けるから
To watch baseball game is interesting. =It is interesting / to watch baseball game. (野球の試合を見ることは面白いです)
これでどうですか?
うん。もう大丈夫そうだね。
あの〜、一つ質問があるんですけど。
なんで1番には「for me」があるのに2番では「for 〜」がないんですか?
うん、そうだね。
それは、この「for 〜」というのは「〜にとって」という意味でしょう。
特別な内容で「ある人」にだけあてはまることなら、これを入れて「誰にとって」のことなのかを言ってあげないと分からないよね。
そういうときには必ず入れてよ。
逆に「世間一般の人みんな」にいえるようなことは無理にこの「for 〜」は入れる必要がないね。そういう場合でも敢えて強調したい時なんかは入れても構わないけども。
まぁ、このような原則はあるけど、単純に「〜にとって」という意味を入れたければ英語では「for 〜」を入れるし、そうでなければ入れないと覚えておけばいいよ。
なんだ、そんなに難しく考えることはないんですね。
そうだよ。あと、そうそう。
一つ注意点があるから言っておこう。この「for 〜」の部分を「〜にとって」ではなくて、「〜が」という日本語で訳すことがよくあるから覚えておいてね。
例えば、
It is important for us to study English. ↓ 私たちが英語を勉強することは大切です。
It is difficult for me to swim in the river. ↓ 私が川で泳ぐのは難しいです。
このように
「It is ・・・ (for 人) to 〜」 「(人にとって)〜することは・・・です」
という形と訳し方は原則なんだけど、全く同じように訳されるわけではないということだけは頭に入れておこう。
それじゃ今回はここまでにしておきましょう。
ありがとうございました。
今回のまとめ
今回の内容は「形式主語のItを使った不定詞の文」を解説しました。 今回のポイントを確認しておきましょう。
- 形 :「It is ・・・ (for 人) to 〜」
- 意味:「(人にとって)〜することは・・・です」
例 :It is important for us to study English. (私たちにとって英語を勉強することは大切です)
※形式主語とは日本語に訳さない「It」のこと。 ※「for + 人」は必ず入れるわけではないが、入れるとしたら「to 〜」の前 ※書きかえが大切
例) 「To swim in the river is difficult for me.」 ↓文を2つに分解 「To swim in the river / is difficult for me.」 ↓形式主語(It)の後ろに上の後半部分を続ける 「Itis difficult for me」 ↓さらに残りを続ける 「It is difficult for me to swim in the river.」