高校選びの一つの考え方
高校受験が近づいてくると自分はどの学校を受けようか迷われる人が多いと思います。
成績が足りなくて入りたくても入れないということもありますが、少しでも高いレベルの高校に入りたいという気持ちは誰にでもあるでしょう。
しかし必死に頑張ってぎりぎりレベルの学校に入ったとしましょう。
そのような場合、入学した時点では学年順位が下の位置になってしまいます。
公立の中学の場合は生徒のレベルに差が大きいので学校の先生も授業の進め方を加減して進めてくれます。
しかし高校になると違います。
入学試験を受けて、内申書も関係しますが成績の順に合格が決まりますね。つまり生徒のレベルはある程度そろっているのです。
そうなると高校に入ってからは、レベルに大きな差がないことが前提なので授業がどんどん進んでいきます。
つまりその高校にギリギリで入学した人には授業を進めるペースは速く感じることになってしまいます。
2つのタイプを考える
こんな状況になると、ぎりぎりの合格をして入学した場合は苦難の道をしばらくは歩むことになるでしょう。
そしてここが分かれ道なのですが、人には傾向があります。
- ツライ環境だと逆にやる気になるタイプ。
- 余裕のある環境で自分が上位になることでやる気になるタイプ。
前者の人。
ツラく、きつい環境になればなる程「くっそ〜!」と反骨精神がわいてきて、頑張って勉強を続けていき、気づいたら学年でも上の方にいくど根性タイプですね。
このような人は頑張って、少しでも自分の希望する上位の学校に、ギリギリでも滑り込んで入学すると良いでしょう。その後はどんどん学年の中でのし上がっていき、卒業する頃には努力次第で上位に上がっていけます。
環境につぶされそうな人は…
一方、後者のタイプの場合です。
きつい環境の中に投げ込まれてしまうとつぶれてしまうと思われるタイプの人、あるいは高校に入ったら部活を頑張ろうと思っている
のにそんなに勉強ばかりでは嫌だという人は一段下げた受験をお勧めします。
自分の実力よりも一段下げて受験することによって、当然授業に余裕ができます。
そのまま自分なりにでも頑張っていれば、学年順位も上位をキープできるでしょう。
そうなるとやる気にも火がつきます。
私の以前の教え子にも後者のような生徒がいました。
高校に入学してから急に勉強に目覚めたのです。
私がここで一番お話したいのがここからなのですが、このように一段下げて受験をすると、今述べたように
- 授業に余裕ができる。
- 勉強にやる気が出やすくなる。
- 学年順位があがる。
このような効果が出てきます。
そうなってくると、大学入試のときにその高校ごとにある「指定校推薦」という制度を利用しやすくなるのです。
この指定校推薦というのは、例えば「A大学から2名」とあれば、
『その高校からA大学に2名の入学を許可する枠をもらっている』
ということです。
この指定校推薦がもらえればたいていの場合、合格できます。
しかも普通の入学試験のようなものはなく、ほとんどが面接や小論文程度です。
私がこれまでに教えてきた生徒でもこの制度をうまく利用した子がいました。
一段上の高校に入った生徒B君と、その下のランクの高校に入ったC君がいました。
B君はC君よりも勉強はできる子でしたが、学校のレベルが高かったため指定校推薦でA大学はもらえず、A大学を一般受験することになりました。
かたやC君はB君よりも勉強はできませんでしたが、一段下のランクの高校だったため学年順位は上の方にいました。
大学受験が近づいてきたときにC君は高校からA大学の指定校推薦をもらえたのですんなりと合格しました。
一方B君は一般受験をしましたが不合格となり、A大学には入れませんでした。
B君
↓
一段上の高校に入ったが成績は下位
↓
成績が上がらずA大学の指定校推薦はもらえず。
↓
一般受験をしたが失敗。
C君
↓
一段下の高校で上位の成績
↓
やる気が出て勉強を頑張り成績上位をキープ。
↓
A大学の指定校推薦をもらえて楽に合格。
これは指定校推薦を上手く利用した典型的な成功パターンですが、高校選びをするときにはこのような事も考慮して受験を考えていくのも一つの手といえます。
ただし注意点が…
ただしいくつか注意が必要です。
一段下げた受験をすれば、当然余裕が生まれます。
だからといって手を抜いてしまえば、やがてその“貯金”を使い果たしてしまい、入学時よりも成績が下がってしまうことは言うまでもありません。
一段下げた受験をするのであれば、その中では“必ず上位をキープするぞ!”という強い意志をもっていく必要があります。
もう一つの注意点です。
高校によって色々なコースを設けています。特に私立高校では一番上のコースには指定校推薦を使わせない場合があります。
これは一番上のコースの生徒には一般受験をさせて学校の実績を上げてもらうという目的のためです。
指定校推薦はもっと下のコースの生徒が浪人するのを避けるために使わせる場合がありますので、受験をする前には確認が必要です。