代名詞(目的格)
前回の復習
〔下線部が主語の場合〕 1.下線部を適切な疑問詞に直す。 2.あとは同じ言葉を続ける。
例1) Mai is making a cake. ↓ Who is making a cake?
※注意点 この場合、主語になっている疑問詞は三人称単数扱いになるので使う動詞も「三人称単数」の形にしてあげないといけない。
例2) Many books are in the box. ↓ What is in the box?
※be動詞を「are」にしないように注意。
例3) We eat the chocolates. ↓ Who eats the chocolates?
※ここでは一般動詞を使った問題になっているが、考え方は同じ。動詞に「三単現のs」をつけていることに注意。
代名詞とは?
まず「代名詞とは何か」を簡単に復習しておきましょう。代名詞とは
「名詞の代わりに使われる単語で、I, you, he, she, itなど」
のことです。そして更にこの代名詞(例えば“I”)には4種類の格があります。
- 主格「I」(私は)
- 所有格「my」(私の)
- 目的格「me」(私を,私に)
- 所有代名詞「mine」(私のもの)
今回はこの中の「目的格(〜を,に)」について勉強していきます。ちなみに「所有代名詞」は次回説明していきます。
代名詞の目的格
代名詞の目的格は「〜を」「〜に」という意味になる時に使われます。もう少し突っ込んで言ってしまえば、次の場合に使われることになります。
<目的格が使われる場合>
- 1.動詞の目的語になっている場合。
- 2.前置詞の目的語になっている場合。
まず1番の「動詞の目的語になっている場合」を説明します。「目的語になっている場合」というのが分かりずらいと思いますが、簡単に言えば“動詞の後ろに来ている場合”と考えてください。
例1)Tomoko knows me. (トモコは私を知っています) ↑ 動詞の後ろに来ている(日本語訳は“私を”)
例2)Kumi loves him. (クミは彼を愛しています) ↑ 動詞の後ろに来ている(日本語訳は“彼を”)
こういうことです。 このように動詞の後ろに代名詞を入れるときには、“基本”目的格と覚えておいて下さい。
“基本”というのは、次のような時には違いますよ、ということで次の場合には注意が必要です。
例3)I like his sister. (私は彼の妹が好きです) ↑ 「him」ではない!
この例文では「like」という動詞の後ろなのに「him」になっていません。なぜでしょうか?
それは、私が好きなのは「彼の妹」と言いたいのですから、当然“彼の”という意味の単語が来ていないといけないからです。
「his sister」 → 「彼の妹」 「him sister」 → 「彼を妹?」 → 「こんな言い方はない」 → ×
このことから動詞の後ろに
『代名詞だけがくる場合』 → 「目的格」 『〜の・・・となる場合』 → 「所有格 + 名詞」
となると覚えておいて下さい。
次に2番の「前置詞の目的語になっている場合」というのを説明します。
例4)Aimi plays the guitar for me. (愛美は私のためにギターをひきます)
この文の「for」というのが「〜のために」という意味の前置詞です。
前置詞というのは「名詞の前におく詞(ことば)」ということで、後には名詞がきます。代名詞も名詞の一つなので、もってくることができるのですが、このときに「目的格」にするということです。
それではここで問題を解いて、ここまでの内容を確認していきましょう。
代名詞の練習問題
<問題1> 次の文の( )内から適するものを選びなさい。 (1) Look at the girl. Do you know (ア she イ her) (2) My father works for (ア we イ our ウ us) (3) Whose book is this? It is (ア I イ my ウ me) book.
<解答・解説>
(1) Look at the girl. Do you know (ア she イ her)
「Look at the girl.」 →「その少女を見なさい」
「Do you know (ア she イ her)」 →「あなたは彼女を知っていますか」
このような意味にしたいのですね。 ここでは「know」という動詞の後ろに代名詞が入るのですから、目的格の「her」となります。
正解:イ
(2) My father works for (ア we イ our ウ us)
→「私のお父さんは私達のために働いています」
ここでは前置詞「for」の後ろに入る代名詞を聞いています。前置詞の後ろにくる場合も動詞の後ろにくるときと同じで「目的格」にしてあげればいいので、「us」が正解となります。
正解:ウ
(3) Whose book is this? It is (ア I イ my ウ me)
「Whose book is this?」 →「これは誰の本ですか」
「It is (ア I イ my ウ me) book. →「それは私の本です」
このような意味になることが分かります。 この問題の場合、後ろに「book」があることを見落とさないで下さい。
この「book」とセットで「私の本」という意味にしたいのですから、ここでは「my book」(私の本)になると考えます。
正解:イ
<問題2> 次の文の下線部を1語の代名詞に変えなさい。 (1) I like Ms. Yoshida. (2) Do you play tennis with Naoto? (3) I know Hiromi and Naoko. (4) He knows Yumi and I. (5) He knows you and Yumi.
<解答・解説>
(1) I like Ms. Yoshida.
この文は「私は吉田さん(女性)が好きです」という意味になっています。吉田さんは「Ms. Yoshida」と「Ms.」になっているので『女性』だと分かります。
「Ms. Yoshida」 → 「女性」 → 「her」
と考えて、「I like her.」(私は彼女が好きです)が正解です。
正解:her
(2) Do you play tennis with Naoto?
この文は「あなたはナオトとテニスをしますか」という意味です。ナオトは『男性』と考えられますから、
「Naoto」 → 「男性」 → 「him」
となり、「Do you play tennis with him?」(あなたは彼とテニスをしますか)が正解です。
正解:him
(3) I know Hiromi and Naoko.
次はどうでしょう? この文は「私はヒロミとナオコを知っています」という意味です。「ヒロミとナオコ」は2人、つまり『複数』ですね。
「Hiromi and Naoko」 → 「彼女達を」 → 「them」
となり、「I know them.」(私は彼女たちを知っています)が正解となります。
正解:them
(4) He knows Yumi and I.
この問題も(3)と同じようですね。 この文は「彼はユミと私を知っています」という意味です。「ユミと私」ということは『複数』だからさっきと同じようですが、注意してください。
「Yumi and I」 → 「私達を」 → 「us」
となります。「私」という「自分」が入ると、『私達』となることに注意です。「them」にしないように。
正解:us
(5) He knows you and Yumi.
この問題も注意が必要です。 この文は「彼はあなたとユミを知っています」という意味です。 「あなたとユミ」ということはこれまた『複数』には違いないのですが、
「you and Yumi」 → 「あなた達を」 → 「you」
「あなたとユミ」はまとめると「あなた達を」となります。また、「あなたを」と「あなた達を」はどちらも「you」です。
(あなた) you - your - you - yours
(あなた達) you - your - you - yours
このように単数でも複数でも同じ言い方になります。
正解:you
今回はここまでです。 代名詞の使い方はこれから英語を勉強していく上での基本になってきます。
ここが分からないまま学年だけが進んでいくと、やがて長文が出てきて、
「下線部のitは何を指していますか。本文の中から1語選んで答えなさい」
というような問題がでてもよく分からなくなってきますので、ここでマスターしてしまいましょう。
今回のまとめ
今回は代名詞の「目的格」について解説しました。 もう一度ポイントを確認しましょう。
<目的格が使われる場合>
- 1.動詞の目的語になっている場合。
- 2.前置詞の目的語になっている場合。
例1)Tomoko knows me. (トモコは私を知っています) ↑ 動詞の後ろに来ている(日本語訳は“私を”)
例2)Kumi loves him.(クミは彼を愛しています) ↑ 動詞の後ろに来ている(日本語訳は“彼を”)
例3)I like his sister.(私は彼の妹が好きです) ↑ 「him」ではない!
例4)Aimi plays the guitar for me.(愛美は私のためにギターをひきます) ↑ 前置詞「for」の後ろなので目的格